農水省の食料自給率向上政策は、@企業による農業経営 A専業農家の規模拡大 を目指し
その第1ステップとして、兼業農家の廃業政策を計画している。
@は、農業の革新技術(ロックウール栽培や液肥栽培)で農産物の工業製品化が始まり、個人
農家レベルでは参入できない高額投資となる。
また、Aは酪農を始めとする規模拡大先行投資の失敗やブロイラー産業同様に投資リスクが高くなり総合商社や肥料会社などの系列に取り込まれ
ての生き残りとなり、農政の貧困による個人や小規模出荷生産グループの崩壊を招くことであろう。
また、@Aともにその業態は、技術的に有機栽培には適さない。
今後の農業は安全性を求める農業として「土壌と自然環境との共生で生産される農産物」と新技
術によるコンピューター管理の液肥栽培に求めざるを得ず、後者は、畜産同様にコスト低減大量
生産形の工業生産化された農業とならざるを得ない。以上のことからも土壌本来の地力を生かす
有機栽培で生産された農産物の経済を確立存続させる流通システムは、社会的機能としての
ニーズを有していると考える。
また、本事業は生産農家との感情流入を共有できるスタッフが重要であり且つ、ビジネスとして
生産農家の経済をも考慮できる圃場事情を知る者が居ないと成り立たない。
故に、大資本を有する大企業や中堅企業が易々と参入できず、何れも失敗や撤退を余儀なく
されている。
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